韓国経済情報

1. 韓国への外国人投資動向
日本からの韓国へ投資額は2013年から減少の一途を辿っています。ただし全世界ベースでは2015年、2016年と連続して過去最高額を記録しており、欧州と中国からの投資が増加しています(米国からは減少)。業種別ではやはり初期投資額が大きい製造業の増加率が高いですが、サービス業も過去5年間にわたり増え続けています。
2. 韓国からの海外投資動向
2016年の韓国からの海外投資額は過去最大となりました。これは欧米向けが増加したためで、業種としては卸売、小売業、不動産開発などの分野の投資が大幅に増加しています。なお、アジア向けは減少しています。
3. 韓国の名目GDP(IMF総計と国連総計):11位
IMF統計によれば、2016年の韓国の名目GDPは1,411,246百万USドルで11位(191ヵ国)です。一方、国連統計では2015年ベースで、名目GDPは1,377,873百万 USドル11位(213ヵ国)です。ご参考までに日本は、名目GDP(IMF統計)4,938,644 百万USドルで3位(191ヵ国)、国連総計では4,383,076百万 USドルで3位(213ヵ国)です。

【出典: IMF、国連 資料: GLOBAL NOTE】

4. 韓国の1人当たり名目GDP(IMF総計と国連総計):29位
IMF統計によれば、2016年の韓国の1人当たり名目GDP は27,539 USドルで29位(190ヵ国)となっています。一方、国連統計では2015年ベースで、1人当たり名目GDP は27,397 USドルで40位(213ヵ国)です。日本の1人当たり名目GDP(IMF統計)は38,917USドルで22位(191ヵ国)、国連総計では34,629 USドルで32位(213ヵ国)です。

【出典: IMF、国連 資料: GLOBAL NOTE】

5. 2016年の実質GDP成長率
韓国銀行によれば2016年の実質GDP成長率は速報値ベースで2.7%です。2016年の2.6%と横ばいです。

【参照: 韓国銀行】

6. 韓国ウォンの対米ドル為替レート(1996~2016)
IMF統計で、各年平均為替レートベースになります。

1996 804.45 2003 1,191.61 2010 1,156.06
1997 951.29 2004 1,145.32 2011 1,108.29
1998 1,401.44 2005 1,024.12 2012 1,126.47
1999 1,188.82 2006 954.79 2013 1,094.85
2000 1,130.96 2007 929.26 2014 1,052.96
2001 1,290.99 2008 1,102.05 2015 1,131.16
2002 1,251.09 2009 1,276.93 2016  1,160.27

【出典: IMF、国連 資料: GLOBAL NOTE】

7. 韓国の輸出と輸入(2016年)
2016年の韓国からの輸出は4,954億6,600万ドル(前年対比5.9%減少)で、韓国への輸入は4,060億6,000万ドルです(前年対比5.9%減少)。
8. 韓国の輸出と輸入(2017年上半期)
2017年上半期は輸出が前年同期比15.8%増、輸入が21.3%と増加しました。輸出では好調の半導体、船舶関連、石油製品がけん引し、輸入は原油、半導体製造装置などが増加しました。
9.韓国の消費者物価上昇率(インフレ率)
  • 消費者物価指数(Consumer Price Index – CPI)の対前年上昇率
  • 消費者物価指数は全品目対象の総合指数(食料品・エネルギーを含む)
  • 税金計算書
  • 消費者物価指数の基準年は2010年
1996 4.92 2003 3.51 2010 2.94
1997 4.44 2004 3.59 2011 4.03
1998 7.51 2005 2.75 2012 2.19
1999 0.81 2006 2.24 2013 1.30
2000 2.26 2007 2.53 2014 1.27
2001 4.07 2008 4.67 2015 0.71
2002 2.76 2009 2.76 2016 0.97
10. 韓国の雇用促進分野における1人当たり社会保障費

韓国の社会保障支出総額の国民一人当たり149.80USドルです(2013年)。社会支出(社会保障給付費)は医療や年金など公的な社会保障給付の支出額でOECD基準の 「Social Expenditure - Public and mandatory private」ベースで、法的に義務付けられた企業・雇用主の社会保障給付支出、現金給付支出のほか、サービスの提供による支出、病院建設など公的設備への投資支出を含みます(融資は含まない)。なお、米ドルへの換算はPPPレート(購買力平価)ベースです。

【出典・参照: OECD 資料: GLOBAL NOTE】

11.韓国の個人金融資産

個人金融資産は国民経済計算(SNA)ベースでの家計部門の総金融資産残高で負債控除前のグロス値で、米ドルへ換算はOECDのPPPレート(購買力平価)ベースとし、金融資産は現金、預金、株、有価証券、保険など(不動産などの非金融資産は含まない)。

百万USドル 主要33ヵ国中
2011年 2,729,028 8位
2012年 2,940,245 8位
2013年 3,081,481 8位
2014年 3,330,795 8位
2015年 3,571,449  8位
12.韓国の個人金融負債
個人金融負債は国民経済計算(SNA)ベースでの家計部門の総金融負債残高で、米ドルへ換算はOECDのPPPレート(購買力平価)ベースとし、金融負債は借入金や未払い金などの負債であり、対家計非営利団体(NPISH)の金融負債残高を含みます。

百万USドル 主要33ヵ国中
2011年 2,729,028 8位
2012年 2,940,245 8位
2013年 3,081,481 8位
2014年 3,330,795 8位
2015年 3,571,449  8位
13.韓国人口1人当たりの可処分所得(2015年):24位
家計可処分所得は家計部門の所得から税金・社会保険料を差し引いた、消費に支出可能な所得で、教育や医療などでの政府からの現物支給を加えた調整後の韓国人口1人当たりの可処分所得ベースは、21,723USドルで、主要35ヵ国のうち24位です。日本は同基準で、30,377USドルの14位です。

【出典・参照: OECD 資料: GLOBAL NOTE】

14.国際競争力(2016年):26位
世界経済フォーラム(WEF)の世界競争力報告(The Global Competitiveness Report)による国際競争力ランキングにおいて、韓国は5.03ポイントの世界26位です。日本は5.48ポイントの世界8位です。このランキングは12の主要分野(社会制度・機関、インフラ、マクロ経済、健康と基礎教育、高等教育とトレーニング、商品市場の効率性、労働市場の効率性、金融市場の効率性、金融市場の効率性、技術的即応性、市場規模、ビジネスの高度化、イノベーション)における106項目を各種経済指標と世界13,000人以上の企業トップへのアンケート調査によって評価し、スコアを算出し、決定しています。

【出典・参照: WEF 資料: GLOBAL NOTE】

15.韓国の飲食業の海外進出
農林畜産食品部の発表では、2016年は飲食業188社が50の国と地域に進出したとのことです。海外進出に対する勢いが現れています。
16.小売・流通への規制指標

2014年3月、OECDでは小売・流通への規制指標(Indicators for retail distribution)を発表しています。これは小売・流通市場における規制の強さをスコア化して評価した指標で、スコア化には「登録・免許規制」、「大規模店舗規制」、「既存店保護規制」、「営業時間規制」、「価格規制」、「広告・値引規制」の要素を0~6点で評価しています。数値が高いほど規制・障壁が強いと考えらます。ここでの韓国は0.60ポイントの33ヵ国中、31位で日本は1.88ポイントの26位となっています。

【出典: OECD 資料: GLOBAL NOTE】

17.韓国の物流業
日本と中国という世界有数の経済大国に隣接するという地の利があります。韓国政府も物流政策に積極的に取り組み、国家物流基本計画を制定しています。仁川国際空港は世界2位の国際貨物空港であり、釜山港は世界5位のコンテナ港湾となっています。世界銀行の2014年版報告書における国際物流の効率性指数で、韓国は21位です。ここでは、国際物流環境を5つの視点(国際輸送網の充実度・輸送サービスの質・貨物トレース能力・輸送日数の正確さ・通関手続きの効率性)から分析・指数化し、サプライチェーン全体の効率性を数値評価しています。なお、日本は10位です。

【出典・参照・資料: 世界銀行】

18.韓国の食品産業

韓国科学技術企画評価院によると、日本や欧米と比較して、韓国の食品産業の技術競争力レベルは70%弱としており、相対的に低いものとしています。高付加価値化に関する技術レベルは75%~85%としている一方で、食品の安全に関する技術は60%台と低くなっています。なお、韓国の食品産業の輸出規模は年々高い比率で増加を継続しています。CJ、ロッテ、農心、眞露など日本でも馴染みのある企業グループがあります。
19.韓国の半導体産業

半導体は韓国が世界に誇る産業です。2017/07/28付のソウル聯合ニュースによれば、サムスン電子は2017年4~6月期決算で、世界半導体市場で24年にわたりトップを守ってきた米インテルの業績を上回り、次世代DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)やNAND型フラッシュメモリで優れた技術を開発し、半導体メモリ市場をリードしています。

【出典・参考: ソウル聯合ニュース】

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